残念な姉
「あ、おはようひぐちゃん」

教室に入って来たのはお馴染みの樋口希美

ひぐちゃんは律儀に傘を畳むと机の横にひっかけて
長い髪を太い黒色のゴムで一つにまとめた

雨の雫が白い首につたって
セーラー服に滲んでいく

水も滴る良い女ってか♪


「ところで…誰かと話してたの?廊下に女神様の声が聞こえてきたわよ」

ほへ!ひぐちゃんの首にうっかりみとれていた

「あ、あぁ…昨日話したでしょ?純一郎ね」
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