呼吸(いき)するように愛してる
「…本当ですか?」

『うん!本当。ちょっと美羽ちゃんを、苛めてみただけ』

「安西先輩って、意地悪なんですね」

耳に当てたケータイから、安西先輩の明るい笑い声が聞こえた。

『メッセージ、嬉しかった!これからよろしく!美羽ちゃん』

「あのっ!……本当に、私でいいんですか?私、こういう事、慣れてないっていうか、初めてで……うまくできるかどうか……」

『…美羽ちゃん、朝からエロい発言……』

「はい?」

『ごめん、こっちの話。付き合うのが、初めてって事?美羽ちゃん、モテてたでしょ。もしかして、すごい理想高いとか?』

安西先輩、やっぱり優しい。が、私、全然モテませんよ。理想は……高いかもしれないけど。

「お気遣い、ありがとうございます。でも私、全然モテませんよ。その…“告白”とか、安西先輩が、初めてです」

『マジ!?』

「はい。……ヒロくん…島くんと池田さんとは、小学校からずっと一緒で。そのせいか、付き合ってるのか?て、よく島くんファンに、勘違いはされましたけど」

思わず、苦笑を浮かべてしまう。

『…なるほど。美羽ちゃんには、番犬がいた訳だ』

「番犬?うち、ワンコは飼った事ないですよ。ニャンコもないですけど」

『ハハ……そうか、美羽ちゃんにはわかんないよな。それでいいよ』

何がそれでいいのかな?無言になって考えていると、安西先輩が話を変えるように言った。

『今度の休み、美羽ちゃんがよかったら、デートしよう!』

「えっ!?…“デート”ですか?」

『そう、デート。俺も考えておくから、美羽ちゃんも行きたい所、考えておいて』

「はい……」

その後、「またね!」なんて言って通話を終えた。

『デート』その響きだけで、なんかドキドキしちゃう。もちろん、初めてだし。

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