呼吸(いき)するように愛してる
気付けば、みちるちゃん家では夕食の時間となっていたようで。

慌てて帰り支度をしようとする私に、みちるちゃんは、夕食はみちるちゃん家で食べてから帰ると、自宅に連絡するように言う。

「お母さん達と、あんまり顔、合わせたくないでしょ?」

さすが、みちるちゃん。みちるちゃんが言ってくれたように自宅に連絡をする。

でも、みちるちゃんは夕食食べなきゃな…なんて思っていたら、部屋を出ていたみちるちゃんが戻ってきた。トレイにおにぎり、唐揚げ、ポテトサラダ、お茶を乗せて。

「みちるちゃん、これ…?」

「ここで、一緒に食べよう」

私一人だったら、きっと何も食べなかった。……本当に、さすがみちるちゃん。

「みちるちゃん、ありがとっ!…いつも本当に、ありがとう……」

「うん。…食べよう」

みちるちゃんは、小さく頷いた。

食欲はなかったけど、せっかくだから少しでもいただく事にした。

海苔を巻いた三角おにぎりをかじり、熱々でジューシーな唐揚げをいただく。

食欲がない、なんて思っていたけど、一口食べる毎に、パワーが充たされていくようだった。

「私、出会った頃からみちるちゃんに、助けられたり、迷惑かけてばかりだね。……みちるちゃんはどうして、こんなお惚けな私と、ずっと一緒にいてくれるの?」

ずっと疑問だった事を、口にしていた。

みちるちゃんが手にしていたお箸を置き、微かに頬が緩んで笑った。

「私、感情表現が下手でしょ。小さな頃から、いろんな事、我慢する癖もついちゃってたし。素直に泣いたり、笑ったり、怒ったりする美羽が、ずっと羨ましいと思ってる」

「えっ!そうなのっ!?」

初めて知ったみちるちゃんの気持ちに、心底びっくりする。私が、みちるちゃんに羨ましがられる事があるなんて……身長の事だけだと、思ってた。

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