呼吸(いき)するように愛してる
でも、それだけでは物足りない!私の想いを表すのに、充分ではないと感じてしまう……

愛しい……愛してる!!・・・

匠くんには美里さんという彼女がいるのだから、私はこれ以上、匠くんに近付いてはいけないのかもしれない……

本当は『匠くんお世話係』なんて、引き受けてはいけなかったのもしれない……

自分の気持ちを閉じ込めようとする事も、考えてみたりはする。

けど……

匠くんが帰ってきて、そんなに日にちは経っていないのに、匠くんへの想いは、まるでずっとそこにあったように、私の心の中の真ん中にド~ン!と居座っている。

匠くんへの想いが、私の中から溢れてしまったら、いったいどうなってしまうのだろう……

そんな不安を抱えつつ、それでも、匠くんの傍にいたいという想いは、どうしても抑えられなかった──



午前十時半を過ぎた頃、専務が四つ葉銀行の営業さんと一緒に事務所にやって来た。

文房具の販売スペースと、事務所を仕切るようにカウンターがある。

そのカウンターで、四つ葉銀行の営業さんと対面した。

「四つ葉銀行○○支店の須賀(すが)です。よろしくお願いします」

緑色の四つ葉のクローバーが印刷された名刺を受け取る。

須賀 雅斗(まさと)さんかぁ……

優しげに細められた瞳を、黒縁メガネが囲む。とても優しそうで、誠実そうに感じる。

身長は、匠くん程高くはない。でも、小さな顔に、スラリと伸びた手足。とても、バランスがいい人だと思った。

『顔もスタイルもすごく整った人』私の須賀さんの印象だ。今日のスーツ姿も、そのままCMに出演できそうだ。

「朝倉 美羽です。よろしくお願いします!」

ペコリと頭を下げた。受け取った名刺の裏を何となく見れば、手書きでケータイの番号が書いてあった。

須賀さんの外見と同じ、スラリとした、繊細な感じのする文字だった。

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