呼吸(いき)するように愛してる
前にいろいろ喋らされた時、ヒロくんの事も話した。

知花さんが「ヒロくんの顔が見たい!」と言ったので、スマホの中の写真を見せた。

「きゃっ!カッコいいじゃない!こんなカッコいい幼なじみがいて、どうして恋に落ちなかったの!?」

「紹介しましょうか?」と、冗談で知花さんに言ったら、少し考えた後「まだ学生でしょ?ムリ!」と返された。

知花さん、ちょっと迷った!?

私が生まれた時から、お隣には要お兄ちゃん&匠くん兄弟がいた。

小学一年生で、ヒロくんと友達になった。

もっと広い目で見れば、聡くんと私のお父さんだって。

お姉ちゃん達が保育園に通っていた頃、二人は“イケメンパパ”として、保育園の先生やママ達に、人気があったそうだ。

この人口の少ない田舎で、これだけカッコいい男子達が傍にいる事は、なかなかないような気がする。

匠くんだけを見続けてきたから、アイドルやイケメン俳優さんのファンになる事もなかったし。

育ってきた環境のせいで、生意気にも“イケメン慣れ”しちゃったのかも……

「美羽ちゃん、珍しく自覚あり?」

黙って考える私に、目線を合わせて知花さんが訊いてきた。

「はい……なんとなく……」

「そう!悪い事じゃないから、気にしなくていいんじゃない?」

「はあ……」

私の微妙な返事に、クスッと笑った知花さんが、須賀さんの事を少し教えてくれた。

年令は、知花さんと同い年の今年二十五才。入行三年目。昨年から、うちの担当になった。

その整った容姿からも、高い営業成績からも、四つ葉銀行内だけでなく、取引先からも何かと注目されている……のだそうだ。

須賀さんの話を聞きながらも、頭に浮かぶのは匠くんの事。

お仕事の方は、よくわからないけど……

私の知っている匠くんなら、お仕事の方もきちんと結果を出しているはず。

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