呼吸(いき)するように愛してる
匠くんが変わったのか、私が変わったのか……もしかしたら、二人とも変わってしまったのかもしれない。

その変化が、いい事なのか、悪い事なのかさえも、今の私にはわからない。

ただ……その事に戸惑いはするけれど、決して「イヤだ!」と思っている訳ではない。……どうされたいのか、どうしたいのか、よくわからないけど……



*****



合コンのある週となり、夜出かける事を、
匠くんにいつ話そうかと、焦り始める。

『みちるちゃんと、ご飯を食べに行く』という理由に決めた。だけど、本当は行きたくない合コンなのに、その事で匠くんに嘘をつくのかと思うと、どうしても私の口は重くなった。

合コンの事、みちるちゃんに話したら、わずかに眉を寄せた。

「イヤなら、きちんと断る。無理しない事」

みちるちゃんに言われ、大きく頷いた。

知花さんにも、今回だけだと再び念押しをした。

今日がタイムリミット、と決めた水曜日の夜。

ドキドキしながらタイミングを伺っていた私より先に、匠くんが口を開いた。

「あぁ~、美羽。明後日の金曜、夕飯、いらないから」

「っ!わかった!……金曜日、何かあるの?」

ホッと息を吐いたのをごまかしながら、匠くんに訊ねる。

「職場の同期会。異動があってから、まだ、同期で飲んでないなぁ、なんて話になって。急遽決まったんだ」

「そうなんだ。楽しんできてね!」

「ああ」

よかった……私は、匠くんに嘘をつかずに済んだ事を、心からホッとしていた。


そして、金曜日──

朝から、沈みがちになる私と、テンション高めの知花さん。

対照的な二人に、職場の営業さん達の顔には、『?』マークが浮かんでいた。

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