呼吸(いき)するように愛してる
ツー…と視線を動かして、今は、一番遠い席にいる須賀さんを見た時、目が合ってしまった。

ニコッときれいな微笑みを浮かべられ、私は、ひきつった笑いを浮かべながら、視線を逸らした。

焦った~!まさか、目が合うとは思わなかった。

私を、こんな場に引っ張りだしてきた須賀さん。今は離れているから、会話もままならないけど、後々何か言われたりするのだろうか……?

そう考えると、さっきのきれいな微笑みが、何かコワイ……

料理を取り分けて、少しつまんだところで、自己紹介をする事になった。

うぅ!……やっぱり、あるよね……知らない人、それも年の近い男の人の前で話すのは、すごく気が重い。

まずは、四つ葉銀行男子から。年令は、須賀さんと同じか、一つ下。

みんな、喋りがうまい。こういうの、慣れてるの?てくらい、笑いを混ぜながら、自己紹介をする。

続いて、私達。知花さんが話し始めたから、私が最後だよね?

一番は嫌だけど、最後っていうのもな……バラエティー番組じゃないんだから、オチ担当て、訳じゃないけど……

そんな余計な事を思いながら、何を話そうかと、頭の中でグルグルと考える。

さすが、知花さんが合コン仲間というだけあって、女子達もみんな淀みなく自己紹介をしていく。

結局、みんなの自己紹介に感心している間に、私の順番となってしまった。

みんなの視線を受けながら、とりあえず背筋を伸ばしてみる。

「えっと~……朝倉美羽です!」

緊張し過ぎて、声だけ妙に大きくなってしまった。

恥ずかしい!……顔が熱い……

「四月に……」「美羽?」私の言葉を遮るように、低い声が響いた。

この声の持ち主を、私は知っている。でも、どうしてここに?

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