呼吸(いき)するように愛してる
保育園の先生達が準備するゲームコーナー
も、園児向けだけだし、お父さん・お母さん達が作ってくれるミニパフェも、匠くん達には、ミニ過ぎるのかも……

匠くんが、退屈するのはイヤだ。『美羽と一緒にいても、つまらない!』なんて思われたくない……

だから私は、渋々了解したのだ。匠くんが、七夕祭りに行かない事を。

「美羽、本当に一緒に行かなくていい?」

匠くんは、私の顔を覗きこんで聞いてくれたけど、私は必死に、口角を上げるようにして笑った。

「うん、いいの!」

しっかりと、笑わなきゃ!私の本当の気持ち、匠くんにバレちゃうと、また匠くんだけに、無理をさせてしまうから……

「そっか……わかった!」

少しの間、至近距離で私を見ていた匠くんが、頷いて顔を上げた。私の頭を、優しく撫でてくれる。

私は、フッ…と小さく息を吐いた。よかった…うまく、ごまかせたみたい……

優しく頭を撫でてくれる匠くんの手を、両手で掴んで外し、ギュッ!と握った。

「でもね、たんざくは、匠くんといっしょにかきたいのっ!」

匠くんを見上げて、見つめながら言った。匠くんはしゃがんで、私の目線に合わせてくれる。

「わかった。短冊は、一緒に書こう!」

ニッコリ笑って、そう言ってくれた。私は、匠くんの首に腕を回して抱きついた。

「ありがとう!匠くん、だいすきっ!!」

「僕も美羽の事、大好きだよ」

私の事を安心させるように、ゆっくりと背中を撫でてくれる匠くん。

私が「匠くん、だいすき!」と言えば「僕も大好きだよ」と返してくれる。その言葉が嬉しくて、また聞きたくて、私はまた何度でも「大好き」と言ってしまうのだ。

……たとえ私の大好きと、匠くんの大好きが違うものだったとしても……
< 16 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop