呼吸(いき)するように愛してる
「このままでは、終わりません」て、どういう意味!?

それを、知りたいような、怖いような……

ブルッと一回身震いすると、両手で自分の身体を抱きしめるようにして、自分のデスクに戻った。



*****



やはり、何か引っかかるものがあったのだろう。その事を、唐突に思い出した。

「違うっ!あの表は、違うんだ!!」

お風呂から上がり、ドライヤーで髪の毛を乾かしていて、それを思い出した。

毎月、給料日の前後の頃、社員の給料の一覧表を専務から渡される。

それを元に、税金を納めたり、いろんな処理をするのだ。

数日前、専務から一覧表を受け取った。と思ったら、翌日、専務から内線電話がかかってきた。

昨日受け取った表は、数字が間違っているもので、正しい数字の表をまた持って行くので、そちらは破棄しておいて…という事だった。

「わかりました」と電話をきって、すぐに間違っている表を、シュレッダーにかけてしまえばよかったのに……

その直後に鳴った外線電話を取った時、その事をすっかり忘れてしまった。

そして、その事を忘れたまま、間違っている表を見て、所得税の納付書を記入した。

今日、須賀さんに預けた所得税の納付書、金額が間違っているかもしれない……

スマホで時刻を確認する。八時を過ぎている……

実際に処理されるのは、明日だという事だったけど……

須賀さん、まだ銀行にいるかな?

営業時間の終わった銀行に電話をかけて、繋がるのかな?

明日の朝一の連絡で、間に合う?

いろんな事が浮かぶけど、軽くパニックを起こしていて、どうするのが一番なのか、全然考えが纏まらない。

須賀さんと、直接連絡がとれたら……

そして、またもや唐突に思い出した。

須賀さんのケータイ番号!!須賀さんの名刺、財布に入れたままになっているはず!

私の新規の口座を作る時、渡された用紙と一緒に、須賀さんの名刺をクリアファイルに入れて持ち帰ってしまった。

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