呼吸(いき)するように愛してる
「それはありません!」

知花さんの言葉に被せて、きっぱりと言いきった。

『匠くんだけをこれからも想い続ける』その事には、絶対の自信と確信がある。

「でしたら!何を躊躇う事があるのかしら?あまり勿体ぶると……」

「勿体、ぶると……?」

知花さんが、それまでのお堅い雰囲気を変えて、スッと目を細めた。

「匠くんみたいないい男、すぐに誰かに持っていかれるよ?」

「っっ!!」

いつもの知花さんより、低めの声で囁かれた言葉に、私は何の言葉も発せられなかった。



あの後、いつもの雰囲気に戻った知花さんに「須賀さんから、お詫びの電話があるから取ってあげて」と言われた。

「えっ!?…お詫びの電話…ですか?」

訝しげな顔をした私に、フフ…と知花さんは微笑んだ。

「ちょっと須賀さんに、ガツン!と言ってやったの。純な美羽ちゃんに、あんな事をするなんて。私と同じ“腹黒策士”として、おおいに見損なったって!」

「ハッ、ハラグロサクシ!?」

知花さんから出た思わぬ言葉に、私は戸惑った。

「美羽ちゃんに、きちんと謝るからそれで水に流してほしいそうよ」

「その気になったら、電話に出てあげて」知花さんは最後にそう言って、その話はそこで終わった。

須賀さんは、私に謝りたいと本当に思っているのだろうか?

……疑問は感じたけど、須賀さんには、これからも仕事関係でお世話になる。いつまでも気まずいのはイヤだし、知花さんの言葉を信じてみようと思った。

その日の二十時前、私のスマホが須賀さんからの着信を告げた。

小さく息を吐いてから、電話を受けた。

「もしもし」

『須賀です。今、よろしいですか?』

「はい」

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