呼吸(いき)するように愛してる
匠くん、大好き!!

伝えたくても伝えちゃダメだ!て、ずっと思っていた。

その時を思い出せば、今は、なんて幸せなんだろう。匠くんへの想いを口にしても、誰かを傷付ける訳ではない。

スーツから部屋着に着替えて、ダイニングテーブルの前に突っ立ったままの匠くん。

キッチンから移動して匠くんの前に立ち、眉間のシワがすっかり深くなってしまった匠くんの身体に、両手を回してギュッ!と抱きついた。

「美羽……?」

戸惑ったような匠くんの声。大きく息を吸うと、匠くんの香りで胸がいっぱいになる。

「私も匠くんと、もっと一緒にいたいよ。…私達は、始まったばかりでしょ?明日・明後日と一緒にいられなくても、これから先、ずっと一緒だもん!」

匠くんの身体にくっ付けていた顔を上げて、匠くんを見つめながら「ねっ!」と笑った。

匠くんの眉間のシワが消えたと思ったら、顔がうっすらと赤く染まった。

あっ!やっぱり匠くんが可愛い!

そんな風に思っていたら、匠くんが私に顔を近付けて、触れるだけのキスをした。

とっさの事に、私は何の反応もできなかったが、柔らかく聞こえたリップ音で一気に顔が熱くなった。

「たっ、匠くんっ!?」

「可愛すぎる美羽が悪い。…今は、これで我慢しとく」

そう言って悪戯っぽく笑った匠くんに、私の全身が沸騰した。



土曜日、仕事が終わった後、みちるちゃんと一緒にお気に入りのカフェに食事に行った。

要お兄ちゃんのカフェにも、よく行くんだけど、今回は匠くんとの事をみちるちゃんに報告する。

……もちろん、傍で要お兄ちゃんが聞いている訳ではない。わかっているけど、なんとなく照れくさい。

だから、短大の時からよく通っていたカフェに、みちるちゃんと二人で来たのだ。

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