呼吸(いき)するように愛してる
「美羽の事、久々に抱っこしたな。重くなったよな」

「ほんと!?わたし、おおきくなってるかな?」

「うん!大きくなってる!」

「やった!」

匠くんにそう言われてはしゃぐ私に、匠くんもニッコリと笑ってくれる。

ベンチに到着すると、フッ…と匠くんが小さく笑った。

何……?

匠くんをジッと見ていると、ニコッと微笑んで、私をそっとベンチに座らせてくれた。

ベンチに置いてあった短冊とサンダルを横に移動させて、私の隣に座る。

「ここにある短冊と、美羽お気に入りのサンダルも、美音の推理通り」

「?」小首を傾げて、匠くんを見る。

匠くんは私の頭を優しく撫でた後、ここに来てくれるまでの事を話してくれた。

匠くんは、コウくん家で友達何人かと遊んでいた。帰る事になった時、コウくんが近くのコンビニに行くと言ったので、みんなでコンビニに寄ってから帰宅した。

だから匠くんは帰宅する時、この公園を通らなかった。

匠くんが帰宅してすぐのように、お母さんが私が来ていないかと訪ねてきた。もちろん私は、栗原家にいるはずもなく……

「美羽がいない!」と、みんなが本格的に心配を始めた。

お母さん、匠くん、要くんの三人で、私の家に戻る。お母さんは、真っ白な顔で呆然としていて……

お母さん、ごめんなさい!!思わず、唇を噛みしめる。

うちの家の玄関に入ると、そこにはお姉ちゃんがいて。

「美羽がどこに行ったか、わかった!」

「美音、ほんとに?」

要くんが訊ねると、お姉ちゃんは大きく頷いた。

「リビングのテーブルの上にあった短冊がなくなってるし、靴箱の中を見たら、美羽のお気に入りのサンダルがなくなってる」

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