呼吸(いき)するように愛してる
そして匠くんは、前に私と一緒に歩いた道のりでコウくん家に向かって、私を見つけた。

あぁ……本当に私は、みんなに心配をかけて、迷惑をかけて……

「お姉ちゃん、すごく怒ってるよね?」

すぐ隣に座っている匠くんを、上目遣いで見ながら訊いた。

「うん。か・な・り!怒ってる」

ガクッ!と頭を垂れた。……そうだよな…お姉ちゃん、怒ってるよな……

栗原・朝倉両家の面々は、基本的に私に甘い。それは、要お兄ちゃん、匠くんも含めてで……

狙っているつもりはないんだけど、私が何かをやらかして叱られる時、ウルウルとした瞳で、上目遣いで見つめてしまう。

自分としては、泣かないようにがんばっているつもりなんだけど……

「……美羽は、もうわかったよね?おりこうだもんね。もう、しちゃダメだよ?」

なんて感じで、お説教の時間はあっという間に終わりを迎える。

すると……

「もう!みんな、美羽に甘過ぎっ!」

と、私を最後まで叱るのは、お姉ちゃんの役目となる。

また、たくさん叱られるんだろうな……私が悪いんだから、仕方ないんだけど……

「美音は、すごく怒ってる。……それだけ、美羽の事を心配したんだ」

「しんぱい?……」

頭の上から降ってきた匠くんの言葉に顔を上げると、匠くんと目が合う。

「うん。美音は、美羽の事をすごく心配していた。それだけ、美羽の事を大好きなんだ……」

「お姉ちゃんは、美羽のこと、だいすき……」

大好き……匠くんの言葉を、自分で繰り返してみる。

お姉ちゃんには、みんなの分も叱られる。よく、意地悪もされる。

でも、お姉ちゃんは私の事をよく見てくれている。いつも、正しい事をきちんと教えてくれる。

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