呼吸(いき)するように愛してる
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自分の気持ちに、ちゃんと向き合っていなかったのに、地元に就職を決めていた──
つまりは、そういう事なんだ。
大学卒業、引っ越し…と慌ただしい中でも、頭の片隅で、時には頭の中のど真ん中で、その事をずっと考えていた。
美羽と離れても、俺の想いは変わっていない。むしろ、どれだけ特別な想いだったか気付かされた。
美羽も高校生、十六才になる。
俺達が卒業した高校に、かなりがんばって勉強して、合格したそうだ。
「匠と同じ高校に、美羽ちゃんも行きたかったのね~!」
母さんはそんな風に言っていたけど、それは本当だろうか?
……今なら…俺の気持ちを伝えても、美羽を傷付けない……?
迷いながらも、最後には決心した。
美羽に、自分の気持ちを伝えようと──
四つ葉銀行に入行し、ニ週間の研修を終えて配属されたのは、実家がある町から車で片道一時間以上はかかる所だった。
毎日車で通うのは大変だ。列車なんて、本数も少ないのに、もっと大変だ。冬には、雪が降る事だってある。
独身者のほとんどがそうするように、俺も会社の寮に入る事にした。
部屋は狭いが、家電や家具など一通りの物は揃っていて、自分の身の回りの物があれば、すぐにでも生活が始められそうだった。
皮肉なものだ。美羽を傷付けそうで、あえて距離をとり、できるだけ会わないようにしていた四年間。ようやく美羽の近くに戻り、自分の想いを伝える決心をしたとたん、また美羽と離れる事になった。
……銀行に就職した以上、もちろんこういう可能性もある事はわかっていたのに……俺もまだまだガキだった。
美里も同じ四つ葉銀行に就職した事には、本当に驚いた。
兄貴が専門学校に通う為に県外に出たから、二人は別れたと聞いていた。
自分の気持ちに、ちゃんと向き合っていなかったのに、地元に就職を決めていた──
つまりは、そういう事なんだ。
大学卒業、引っ越し…と慌ただしい中でも、頭の片隅で、時には頭の中のど真ん中で、その事をずっと考えていた。
美羽と離れても、俺の想いは変わっていない。むしろ、どれだけ特別な想いだったか気付かされた。
美羽も高校生、十六才になる。
俺達が卒業した高校に、かなりがんばって勉強して、合格したそうだ。
「匠と同じ高校に、美羽ちゃんも行きたかったのね~!」
母さんはそんな風に言っていたけど、それは本当だろうか?
……今なら…俺の気持ちを伝えても、美羽を傷付けない……?
迷いながらも、最後には決心した。
美羽に、自分の気持ちを伝えようと──
四つ葉銀行に入行し、ニ週間の研修を終えて配属されたのは、実家がある町から車で片道一時間以上はかかる所だった。
毎日車で通うのは大変だ。列車なんて、本数も少ないのに、もっと大変だ。冬には、雪が降る事だってある。
独身者のほとんどがそうするように、俺も会社の寮に入る事にした。
部屋は狭いが、家電や家具など一通りの物は揃っていて、自分の身の回りの物があれば、すぐにでも生活が始められそうだった。
皮肉なものだ。美羽を傷付けそうで、あえて距離をとり、できるだけ会わないようにしていた四年間。ようやく美羽の近くに戻り、自分の想いを伝える決心をしたとたん、また美羽と離れる事になった。
……銀行に就職した以上、もちろんこういう可能性もある事はわかっていたのに……俺もまだまだガキだった。
美里も同じ四つ葉銀行に就職した事には、本当に驚いた。
兄貴が専門学校に通う為に県外に出たから、二人は別れたと聞いていた。