呼吸(いき)するように愛してる
私はソファーの上に足を上げると、匠くんの方に足を向けて、横向きで体育座りをした。

「美羽があけるから」

お母さんに渡された絆創膏二枚、一枚ずつ開いて、絆創膏を匠くんに渡す。

匠くんは両方の小指に、一枚ずつ絆創膏を貼ってくれた。

「匠くん、ありがとっ!」

「どういたしまして」

匠くんと向かい合って、お互いにペコリと頭を下げた。顔を見合わせて、フフフ…と笑う。

絆創膏を貼ってもらって、ソファーから下りてテーブルの前に座る。

匠くんも、私の隣に座る。

テーブルの上には、汗で濡れて乾いて少しだけフニャッとした短冊と、短冊サイズに切ってある白いチラシが何枚か置いてあった。

私がお風呂に入っている間に、匠くんがチラシを切って準備してくれていた。

まずは、チラシに願い事を書いて練習するのだ。

「美羽、願い事は決まってる?」

「きまってるよ!ひとつめは、『みんななかよく!』で、ふたつめは『はやくおおきくなりますように!』だよ!」

私が大きく頷いてから答えると、匠くんが苦笑した。

「美羽、毎年同じような願い事だね」

匠くんの言う通り、私の願い事は毎年同じような事だ。

短冊は毎年二枚渡されるから、願い事は二つ。

一つ目は、今回書こうと思っている『みんななかよく』とか『みんなげんき』なんてのを書いている。

匠くん、お父さん・お母さん、お姉ちゃん、要お兄ちゃん、ともママ・聡(さとし)くん(今さらだが、要&匠パパ。本人からのリクエストでこの呼び方)、お祖父ちゃん達・お祖母ちゃん達、マオちゃんに……

私の大好きな人達全員の事を書こうと思ったら、小さな短冊には書ききれない。だから『みんな』にした。

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