呼吸(いき)するように愛してる
「そっか……」

ちょっと暗い空気を装いながらも、心の中では「別れた!」と、拳を握りしめる私がいた。

いつ頃からか、全然美里さんの姿を見かけないなぁ、とは思っていたけど。受験勉強で忙しいからだろう、ぐらいに思っていた。同じ高校なんだし。

お別れ、してたのか……

美里さんと匠くんが別れたからと言って、私がどうにかなる訳じゃないけど。

……だって、美里さんはすてき過ぎて、私なんかじゃ、比べものにもならないと思うから……

匠くんに、また「大好き!」て伝えても、いいのかな……そんな事を考えていた。

──美里さんの気持ちを考えない、自分勝手な私に、神様が罰を与えたんだ。『匠くんと会えない』て罰を……

匠くんは、すごく遠くにいるし「大きくなりたい」とか、もうどうでもよくなってきて……

すると、皮肉な事に六年生になったぐらいから、前より身長が伸びるようになった。

私とみちるちゃんは、同じくらいの背の高さだったのに、少しずつみちるちゃんと、差がつき始めた。

中学校の制服の採寸に一緒に行った時、思っていたより差がついていた事に、改めて気付いた。

「裏切り者!」

ほとんど表情を変えない、みちるちゃんの目が吊り上がっていて、みちるちゃんの静かな怒りを感じた。

っっ!!そうおっしゃられましても、みちるちゃんっ!

身長は伸びても、私の身体は華奢なままで。『女の子らしさ』とは無縁だった。

「美少年に、磨きがかかってきた?」

なんて、相変わらずともママにはからかわれていたけど。

だから──なのか。私は、中学生になっても生理が始まらなかった。

身長は、中学生になってさらにグイッ!と伸びた。私の成長期は、ここだったのか…と一人で納得していた。

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