呼吸(いき)するように愛してる
二年生の三学期には、私の周りの子達はみんな生理が始まっていた。

みちるちゃんも、六年生の終わりに始まって、時々、お腹が痛いとか言っている。

お母さんが心配して「病院に行こうか?」と何度か言われたけど。

みんなの様子を見て、なんか面倒そう…と感じていた私は、全然気にしていなかったので、拒否していた。

「やっぱり、心配だから……」

と、お母さんに押しきられ、三年生の夏休み中に、何も身体に変化がないようなら、病院に行く事を約束させられた。

病院に行ったら、何するんだろ……?…検査
とか……どんな、検査なんだろ……?

よくわからない“検査”がプレッシャーとなったのか、私が十五才になる七月、とうとう初潮を迎えた。

もうすぐ十五才になるところで、“大人”になった私の身体……まっ、特に何も変わらないけどね。

実は“賭け”というか、自分の中で決めていた事があって……

お母さんが言った期限内に、もし初潮を迎え私の身体が“大人”になったのなら、“心”も少しは成長させようかなと……

私は今、中学三年生、高校受験を控えている。

第一志望の高校は、自宅から近い県立の女子高にしようと思っていた。

でも……本当は、匠くんが卒業した高校に通いたい。……私の今の学力じゃ受験しても、合格するのは無理だろう……

だから、諦めていたんだけど……がんばって、みようかな……

イヤ!私、がんばりたい!……がんばる!

匠くんが三年間そこに通って、見た景色、触れたもの、感じた空気……私も、見たい!触れたい!感じたい!……少しでも、匠くんに近付きたい!!

そういう自分の気持ちに、素直になろう。

そう、決めた。

……きっともう私の事なんか、匠くんの頭の片隅にもないんだろうな……

せつなくって、胸がシュ~…と萎んでいくようだ。

そう思いながらも、ちょっとだけ期待する私もいる。

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