呼吸(いき)するように愛してる
みちるちゃんにも声がかかったけど、断ったそうだ。

部活でもヒロくんは、中学と同じサッカー部に入部して、毎日汗を流している。『文武両道』を、きっちりと体現しているヒロくん。

そんなヒロくんは、モテている。中学の時も、モテていたけど。

身長も高くなった。もう少しで一八〇センチなのに…て言ってるし。顔つきも、引き締まって男らしくなったと思う。出会った時は、ガキ大将のようだった濃いめの眉ときれいな二重の瞳が、凛々しく、意志の強さを表しているようだ。

何度も告白されているのに、全て断っている。私はてっきり、ヒロくんはみちるちゃんの事が好きだからだと、勘違いをしていた。

みちるちゃんには、ちゃんと好きな人がいて、中学生になってから、その人と付き合い始めた。

なんと、私と同じでお隣の幼なじみ、三才年上の人だ。もちろん、ヒロくんもよく知っている。「リュウさんを選ぶなんて、さすがみちる!」なんて言っていた。

私も会った事があるけど、すごく優しい人。みちるちゃんの事を、いつも暖かい眼差しで見ている。

何かと頼られる事の多いみちるちゃんだが、その人には素直に甘える事ができる……と、少~しだけ、頬を赤く染めながら教えてくれた。

表情をほとんど変えないみちるちゃんが、乙女になった……可愛い!

匠くんからの誕生日プレゼントの事も話したら

「白いバラの花束……すてき……」

と、やっぱり頬をうっすらと赤くした。もう、そんなみちるちゃんが、すてきっ!

「バラは、やっぱり年の本数とか?」

みちるちゃんの問いに、私は花瓶に活けた時の事を思い出す。お母さんもそう言って、二人でバラの本数を数えたんだ。

「小ぶりのバラがね、十一本だったの」

「小ぶりのバラが、十一本?」

「そう!でも、私の年の本数なくても、充分に豪華できれいだったよ!」

「……そうだよね」

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