呼吸(いき)するように愛してる
小学生の頃に比べれば、確実にヒロくんと一緒に過ごす時間は減ってきている。それでも、私にとってヒロくんが、幼なじみで、一番身近で大切な男友達という事は、これからもずっと変わらないけど。

部活が忙しいヒロくんは、今回の夏祭りの事は知らない。……はず……


夏祭りまで、後三日となった。

みちるちゃん家で夏休みの宿題をした後、夏祭りの日の打ち合わせをする。

必死で受験勉強をして合格した東高。やはり、必死でお勉強をしないと、授業についていけない。

でも高校生活、しっかり楽しんでいる。みちるちゃんとヒロくんには、相変わらずお世話になりっぱなしだけど。

「ハァー……」

とりあえず、今日する予定だった宿題を終えて、大きく息を吐く。

手を伸ばしてアイスティーの入ったグラスを取り、冷たいアイスティーを口に含む。

みちるちゃんが、座っていた勉強机の椅子をクルッと回し、私の方を見る。

「美羽、こっち来て」

私は立ち上がって、椅子に座ったみちるちゃんの隣に行く。

みちるちゃんの勉強机の上には、ノートパソコンが置いてあった。

その画面には、今度行く夏祭りのホームページが開かれていた。

「夏祭りのホームページ……」

私がみちるちゃんの顔を見ると、画面をクリックしていく。

そして、見せられたのが……

夏祭り当日の、踊りの連が通るコースや、その人達の控え場所の案内が出たページだった。

「っっ!!みちるちゃんっ!」

私は思わず、みちるちゃんの腕をガシッ!と掴んだ。

夏祭り当日、私は匠くんを『見る』事しか頭になかった……もう……どうしてこういう事、思い付かないかな!

もし控え場所がわかっていたなら、そこで声をかけられるかもしれない!

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