呼吸(いき)するように愛してる
みちるちゃんは私を見て、ゆっくりと話す。私が、焦ったり慌てたりしないように、捲し立てたりしない。

「んーん、見間違いじゃない。右目の下に泣きボクロがあった。……すごく、色っぽっかった」

首を左右に振った後、薄く笑いながら言った。

「そっか……」

「匠くんとお揃いの、四つ葉のクローバー柄の浴衣を着てた。同じ、四つ葉銀行だったみたい。美里さんが高校を卒業してからの事、私は知らないから、細かい事はわからないけど……」

その先を言うのは、その事を認めてしまうようで……一度、窓の外を見た。田んぼや畑の緑が目に入り、浴衣の四つ葉のクローバーを、思い出した。

思わず、クスッと笑うとみちるちゃんを見た。みちるちゃんは私の事を、静かに見つめていた。

「匠くん達が中学生の時、初めて二人でいるのを見た。その時も仲良さそうで、すごくお似合いだった」

フッ…と短く息を吐く。

「今日、久々に二人で並んでいるのを見て、やっぱり仲が良さそうで。……あの頃よりも、お似合いだと思った。きっと、よりが戻ったんだね……」

『よりが戻った』自分がそんな言葉を使うなんて、意外で、ちょっとびっくりする。まるでドラマかマンガの話でも、しているみたいだ。

「美羽……」

笑おうとしたら、ツーッと、涙が頬を伝ったのがわかった。

あれっ!?何で!?……そうか……さっきからみちるちゃんの事が霞んで見えてしまうのは、私の涙のせいだったんだ……

みちるちゃんは私の隣に移動すると、リュックからハンドタオルを取り出し、私の顔に当てた。

「無理に笑わなくていい……泣きたい時は、泣けばいいから……」

私は、タオルを顔に押し付けると、声を上げないように、肩を震わせながら泣いた。

みちるちゃんは、ずっと寄り添っていてくれた。時折、私の背中を擦ってくれる。……私は、一人じゃない……

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