妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~
背中をトンと、叩かれて。


「おい、ちょっと座るぞ」


「えっ?あ、、はい」


「違う。お前はここ。汚れるだろうが」


決して綺麗ではない、土足の資料室。
気にするでもなくドサリと胡座をかく。
その横にでも腰を掛けようかと思っていたら、ひょいと腰を引き込まれ、三崎課長の胡座の上に横抱きに座らされた。


「な、、、な、、なんで!?い、、嫌です!嫌です!下ろしてください!!重いですーーーー!!!!」


「煩い。叫ぶな。人が来るぞ」


他の人に見られる。
その一言でピタリと声を止め、顔を覆う。


「も、、、嫌だ。恥ずかしすぎる」


うっうっうっと泣き崩れる。
まぁ涙はそんな直ぐに出ないから、真似なんだけど。



「あぁん?何だよしてほしかったんじゃねぇのかよ」


「ふぇ??」



160センチ近い身長がある私を軽く膝に乗せ、囲うように抱き締める。
三嶋課長の腕が腰巻き付き、私の肩に頭を乗せて話し出す。



「今日の昼、お前柴崎や守屋達と雑誌見て楽しそうに話していただろ?」


「えっ?、、えぇ。そうですね」


「それを、定時過ぎに守屋がにやにやしながら俺のデスクに置きにきたんだよ」


「な、、、何故?」


「そろそろお前の事を何とかしろってことじゃねーの?」


「な、、、、っっ」


「俺が狙ってるのなんて、お前以外うちの課の奴ら皆知ってるぞ?」


「!!!!!」


「で、その雑誌が壁ドン特集だっただろうが。守屋、すっげぇにやにやして、わざわざ特集ページ開けて置いてったぞ。だから、こーゆうのが好きだと思ったんだよ」


「っ、、、もうやだぁー恥ずかしすぎる……」


うっうっうっと両手で覆って再び泣き真似。
今度は本当に涙が出てきた。


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