妄想オフィス・ラブ ~キスから始まるエトセトラ~

「やっ。分かった。分かったから。本とそんな引っ張る話じゃないからね」

「んっ」

「姉に赤ちゃんが産まれたの」

「…………は?」

「だからね、姪っ子が出来たのよ」

抱き締める腕が離れたと思ったら、椅子をくるっと回されて向かい合ったまま両肩を捕まれる。

「それと月始めとどう関係があるんだよ」

納得が出来ないのか、顔を向き合わせたままぐっと距離を縮められる。

ひぇー近い近い近い。
自由になった両手で高宮の胸を必死に押し返す。
びくともしませんがね。

「あのね。毎月、月始めに圭ちゃん…あっ。姉の旦那様ね。圭ちゃんの会社は会議で他県に行くみたいで帰りが遅いのよ。だから、可愛い姪っ子に会いに通ってただけなの。本当に可愛いんだから。今半年でね、少し前に寝返りしてね、あっ。見る?その時の動画。写真もね、1日3回は送って貰っててね。日和ちゃんって言ってね」

姪っ子の話になって、嬉々として話続ける私とはうらはらに右手を自分の口許に持っていって顔を横に背け出す高宮。

人に聞いといてその態度はないんじゃないかなー?
「ちょっとぉ。聞いてる?聞いてきたの高宮じゃん。聞いてよ。見てよ。日和、超可愛いんだから」
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