イジワル副社長に拾われました。
「……悪い。止まんねぇかも」

ボソッと呟いた後、私の腰に回っていた航さんの手の力が強くなり、私は航さんの体に引き寄せられた。

鼓動がどんどん早くなって、全身の体温が上昇してくる。

見つめあった航さんの瞳の中に、真っ赤な顔をした私が映っていて、恥ずかしくなった私が目を逸らすと、クイ、と顎を上に向かされた。

「わ、航さん……」

「……さてと。今からお前に自信つけさせてやろうかな」

「自信?」

「俺に愛されてるっていう自信。まだ気にしてたりするんだろ」

沈黙が私の答え。

航さんの言う通り、まだお付き合いできているってことが信じられないときがある。

私なんかでいいんだろうか。そうやって不安になることもある。

航さんは、今のままの私でいいって言ってくれるけど、本当に隣にいていいのかなって思っていること、やっぱり隠せてなかったんだ。

「さっきも言っただろ。『Lady Go!』のコピーは、一番に琴乃に贈りたかった。もっと自信を持て。そして自分のやりたいこと、しっかりとやっていけ」

「……っ」

思わずこぼれた涙を、航さんの唇が優しくすくってくれる。

「お前は俺に、愛されてる。それだけでもお前の自信にならないか?」

「なります。十分ですっ……!」

涙をぬぐって笑う私に、航さんは妖艶に微笑んで。

「さ、行くぞ」

「行くって、どこに?」

「……愛されてる自信つけさせてやるって言っただろ」

「え、きゃっ!」

膝から持ち上げられ、お姫様抱っこの状態になる。

少しびっくりしてあたふたする私の耳元で、航さんがささやいた。

「俺の寝室へ、ようこそ」

普段の航さんからは想像できないお茶目な言い方でささやかれ、私は真っ赤な顔で小さくうなずいた。







年が明け、四月。

航さんは無事、副社長に就任し、新しい企業コピーの元で新年度が始まった。

「ありがとう、琴乃ちゃん」

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