強引上司がいきなり婚約者!?
それならお安い御用だ。
私はうんうんと頷いて、ホッと息を吐いた。
そして渡された資料をパラパラとめくり、間に挟まっていた付箋に気がつく。
「ん? なんだろ、このメモ」
そこには主任のキレイな筆跡で、有無を言わせないような走り書きがしてあった。
"昼休み、第4会議室に来い。昨日の件で話がある。"
私はそれをサッと読み終え、急いで引き出しの中に隠してから、こっそり頭を抱えて嘆いた。
や、やっぱり〜!
兎川さん、全然"大人のマナー"で終わらせる気ないよ!
昨日はとんだ厄日だったに違いない。
彼氏にフラれ、おまけにイケメン上司の修羅場を目撃してしまったのだから。
私は軽く涙目になりながら、デスクの上に置いてある時計を確認する。
時刻は午前11時36分。
ちょっぴり苦手な俺様上司からの呼び出し時刻まで、残り30分をきっていた。
* * *
第4会議室は2階にある小さなガラス張りの部屋で、社員同士で利用することはほとんどない。
1階にあるレセプションルームがいっぱいのとき、下請けの工務店との打ち合わせなどに使われるくらいだった。