男の秘密　－繋がる未来－
『照れてる・・・』

一緒に暮らすようになって、忍の表情が良く変わるようになったと思ったが、もしかすると、自分が小さな違いに気付けるようになった所為かもしれない。

小さな変化に気付けるようになったのなら、嬉しい限りだと、忍の食事風景を見ながらそんな事を考えていたら、忍の食事が終わっていた。

「あの、忍さん・・この前の事で話があるの」

先程までの表情とは違い、険しいものに変る忍に、怯みそうになったが、今言わなければと自分を奮い立たせる。

「ご家族の事だけど、やっぱりご挨拶したいの
忍さんを生んで下さったご両親や一緒に過ごしたご兄弟の方に、会いたいの」

「俺は、会いたくない」

「私だけでも、会いに行ってもいい？」

忍の表情を見ると、心の葛藤が表情に出ている。

拗れてしまってから１０年程経っていると聞いている、忍も本当は会って、話をしたい筈だと思った。

「返事は直ぐじゃなくていいから」

言いたい事を言った優は、片づけをする為に立ち上がった・・・筈だった。

『あれ？・・・天井が・・回る？』

「優！！」
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