男の秘密 -繋がる未来-
「ただいま、夜ご飯買って来たよ」

そう言って掲げたのは有名店の紙袋だった。

「おかえりなさい。今日は早いのね」

「あぁ、木戸さんに頼んで早く上がらせて貰った・・これ木戸さん?」

リビングのテーブルにある、おにぎり等を見て、少し驚いた様子だ。

「うん。朝は牛丼やお好み焼きもあったのよ。木戸さんが全部食べてくれたんだけどね」

「牛丼にお好み焼き・・・朝食にするにはちょっとヘビーだな」

「ふふふ。そうなの、だから困ってたら、木戸さんが俺が食べるって言ってくれて」

「悪かったな、逆に気を使わせて」

「ううん。嬉しかったわ。心配して貰っているのが分かったから、ただ、木戸さんだとちょっと困るかなって思って・・・」

チラリとテーブルを見たことで、何かを察したらしく、「悪かった」と謝られた。
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