溺愛ドクターに求愛されて
だって明日は私の二十九歳の誕生日だ。
弘樹が旅行に誘ってくれて予約も計画もすべてやってくれて、楽しい誕生日になるはずだった。
もしかしてプロポーズされるかもしれないなんて、そんな淡い期待も持っていたのにこんなひどい裏切り方をされるとは思ってなかった。
本当に最低最悪だ。悲しいのと悔しいのとが混じり合って泣きそうになるけどだめだ、我慢しないと。
仕事中なんだからこんな事考えてる場合じゃない。やらなきゃいけないことがたくさんあるんだから。
私はさっき見た二人がキスしてる光景を頭から追いやって、仕事に集中するべく今日の予定を頭の中で整理した。
その日の業務に追われているうちに昼休みになって、私は食堂でご飯を食べながら携帯を見る。