溺愛ドクターに求愛されて
予想はしてたけど、やっぱり届いていたメールを見て、ため息をつく。
『会って、話したい。』
いつものように用件だけの短いメールを見て思わず眉を寄せる。
それはもちろん彼からのメールで、今更一体何を話すというのだろうか。
言い訳も、謝罪も聞きたくない。もう私の心は決まっている。
夜勤明けだった岸本さんからも長々と文章の書かれたメールが届いていたが全然読む気がしなくて私は携帯を閉じた。
作ってきたお弁当を口に運ぶけど全然味がしない。
何だか食欲もなくなってきて私はお弁当箱の蓋を閉じてしまう。
明日から彼と行く予定だった旅行もなしだ。
キャンセル料が発生するだろうけど、そんなのもう知らない。あっちが何とかするだろう。
またため息が出て、窓の外の景色を見る。