溺愛ドクターに求愛されて

そこまで思ってはっとする。新しい恋、始めようとしてる?


始めようと……してるよね。だって私、越川先生に惹かれてる。


あれ、デートする以前に答え出てる? いや、でももっと良く知ってからでも遅くはないよね。


自問自答を繰り返す私の顔を越川先生が急に覗きこんできて私はびっくりして目を見開く。


「難しい顔してるけど、大丈夫? ほら、見て。子供抱いてる猿、かわいいでしょ? せっかくだから触っておいたら?」


本殿の左にいる子供を抱いた猿の像を見て越川先生がそう言う。


「本当だ、かわいい」


愛らしいその姿に頬が緩んで越川先生に言われるがままその像を撫でる。


あれ? でもこの猿の親子って確か……。


私はその猿の親子を撫でていた手をピタッと止めた。


「この猿の親子を撫でると子宝に恵まれるとか安産になるとか言われてるよね」


こ、子宝って。真っ赤になった私を見てクスクスと笑っている越川先生がその像を撫でる。


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