溺愛ドクターに求愛されて
「俺を待ってる人がいるのに諦めるのかって言う声を聞いて、俺は生きたいと強く思った。
だけどどうしていいか分からなくて途方にくれてたらすごい眩しい光に包まれて、母と祖母に連れられて行った神社とかお寺とかの映像がすごい勢いで流れてきて……はっと目覚めたら病院のベッドの上だった。
その時に思ったんだよね、俺は生かされたんだって」
なんか、すごい話だな。鳥肌たってきちゃった。
腕をさする私に気付いて越川先生は微笑む。
「だからね、俺みたいな人を助けたいなと思って。
助けられた命だから、人助けに使おうかなって。そうするべきだと思ったんだ。勉強も好きだったしね。
それが医者に、心臓外科医になった理由かな。
あとは助けてくれた神様に感謝してるから、神社とかに行って助けてもらってありがとうございますってお礼言ってる。これが神社仏閣が好きな理由」
そう言った越川先生が、私の手を握る。
「でも、やっぱり神様っているよね。
こうやって沙織との縁繋いでもらってるし。一生一人で生きてくつもりだったんだけど……京都駅で沙織を一目見た瞬間、目が離せなくなって。
俺、この人と結婚するって思ったんだよね」
絡んだ指を親指で撫でられて、澄んだ茶色い瞳に見つめられて、心臓がドキドキし始める。