溺愛ドクターに求愛されて

「……俺ね、生まれた時に心臓の疾患があって長く生きられないって言われてたんだよね」


そう言った越川先生に驚いて顔を見ると、先生は私を見てニコッと笑う。


「今はもう大丈夫だよ。手術して、その時に死にかけたんだけど……ちょっと不思議な体験してね」


越川先生のお母さんとお祖母さんが信心深かったみたいで小さな頃から越川先生は二人に連れられてよく神社仏閣に行ってたらしい。


そこでいつも越川先生が病気に負けずに元気に生きられるようにお願いしていたんだそうだ。


「手術中に心肺停止までいったんだけどね、それこそ三途の川みたいな所までいったんだけど……それでよいのか。
お前は諦めるのかって声が聞こえて。
だけど俺は、それが俺の寿命ならもういいと思ってた。制約が多くて、いじめまではいってないけど同級生にバカにされる事も多くて、それが運命なら別に死んでもいいかって思った」


その光景を思い出しているのか、越川先生が遠くを見て懐かしむような表情をする。


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