溺愛ドクターに求愛されて

私の重い気分を嘲笑うかのような快晴だ。


雲ひとつない真っ青な空がどこまでも広がっている。


いい天気だな……なんかもうどこか行っちゃいたいかも。


そう思った私は、携帯をじっと見下ろして少し考える。


それは思いつきだった。


携帯を手にして、検索をかける。


そうだよ、せっかく休みとってるんだし。別に弘樹と行かなくたっていいじゃない。


もう、一人でどこでも行っちゃおう。


そう思ってからの私は早かった。


新幹線の予約と、ホテルの予約あっという間に済ませて携帯を閉じる。


最悪の誕生日になりそうだけど、もう一人で好きな場所に行ってやる。


そう決めた私は午後の仕事をこなすべく病棟に戻った。


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