溺愛ドクターに求愛されて

「寂しいから、早く帰ってきて」


『……嘘じゃないよね?』


嘘でもいいって自分で言ったくせにそう言う裕介がおかしいけど、会いたいと思ってるのは事実だから私はその言葉を肯定する。


「嘘じゃないよ。会いたいもの。待ってるから、お仕事頑張ってね」


『沙織が待ってるなら百倍頑張れる。じゃ、行ってくるね』


そう言って電話を切って、預かっている合鍵を使って裕介の部屋に入る。


夜中に帰ってきても軽くつまめるようにサンドウィッチとスープを作って、お風呂に入ってからソファーに座る。


こうやって裕介を待つのも、辛くはなくてどんな時でも私の所に帰ってきてくれるからそれが嬉しい。


弘樹はこういう時、どんなに待っていても連絡をくれる事も会いに来てくれる事もなかったから。


裕介も私と同じ気持ちでいてくれるって思うと安心する。


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