同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
溺愛level7*ケンカの末に


翌朝、八時ごろ。

まだベッドの中でウトウトしていた私の耳に、玄関のチャイムが聞こえてきた。

……誰?

ぼんやりした頭でそれだけ思い、のっそり上半身を起こして眠気が晴れるのを待つ。

すると、今度はガチャリと鍵が回された音と、扉が勢いよく開く音がした。


「え。鍵……?」


眠気はあっという間に冷め、急に怖くなってさぁっと血の気が引いた。

だって、比留川くんの帰りは明日のはずでしょ?

じゃあ、今この家に入ってきたのは……変質者か、はたまた殺人鬼……?

考えているうちに廊下の足音が近づいてきて、謎の人物は私の部屋をノックした。

びくっと身体を強張らせて返事をするべきなのか悩んでいると、扉の向こうから聞き覚えのある声が聴こえてきた。


「みちるちゃん、朝早くにゴメン! ちょっと出てこられる?」


……この声は、比留川くんの友達、焼き鳥屋の玄太さん?
彼も比留川くんと一緒に地元に行ったんじゃなかったっけ。

状況が理解できぬまま、部屋着姿でおそるおそる扉を開けた。

そこにはやはり玄太さんがいて、彼に担がれるようにしてもう一人、ぐったりした人物が……。


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