同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
熱があることを一瞬忘れてしまうくらいの、鋭い眼光に射抜かれる。
「え……?」
「……難波って、結局俺とどうなりたいわけ?」
どうしてだろう。比留川くん、イライラしているみたい。
でも、その質問の答えは私、一昨日の夜にちゃんと伝えたじゃない。
もし彼がそれを忘れてしまったんなら、こっちだって腹が立つ。
「それ……言ったよ、私」
「改めて聞きたい」
「……嫌」
「なんで」
「なんでって……」
私は唇を噛んで押し黙った。
私と付き合ってほしい。比留川くんと恋人同士になりたいって、一昨日の夜私はハッキリ口に出して伝えた。
あの夜はお酒の勢いがあったとはいえ、かなり勇気を振り絞って伝えたのだ。
でも、彼の口から出たのは呆気なさすぎる“無理”という二文字。
……あのときの切ない痛みを、もう一度感じろというの?
「……言えないんだ。元彼と会ったから、心境の変化?」
そっけない声で問いかけられるのと同時に、手首をつかんでいた彼の手が離れていく。
嵐のこと? そういえば、理央が電話で話したんだっけ……。