同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
私の言葉を遮り、急に焦りだす比留川くんを見て、やっぱり最初から嘘なんかつかなければよかったと思ったけど、もう後の祭り。
今さら説明するのは何か違うだろうけど、最後くらいは都会者の鎧を脱いでみようか。
口を開くと同時にぽろっと涙がこぼれたけど、彼を見つめてなんとか笑顔を作る。
「比留川くん。あんたのこと、ぼっけぇ好きじゃったよ。……ほんならな」
最後の方は、声が震えていたのが自分でも分かった。
だめだ……もう、今にも号泣してしまいそう。
パッと比留川くんから顔を背けた私は、棚の上にあったバッグにスマホと財布だけを突っ込み一目散に部屋を飛び出した。
廊下の途中まで追いかけてきた彼が何か言っていたけど、それを振り切るように玄関を閉めたから、内容はわからない。
マンションを出てあてもなくただまっすぐ走りながら、前にもこんなことがあったなと思い出す。
玄太さんの妹で、かつ比留川くんの元カノである沙弓さんが部屋にいて、勝手に敗北感を感じて逃げ出して……
そうだ、とりあえずあの時の公園へ行こう。あまり人気が多い方じゃなかったし、泣くにはちょうどいいかも。
公園の入り口に着くと足の速度を緩め、以前も座ったベンチを目指して歩く。
そして目当ての場所が近づくと、私は思わず感嘆の声を上げた。