同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~


な、なんですと……!?

沙弓さんの言葉がにわかに信じられず、もう一度穴のあくほど画面に映る金髪サーファーをじっと見る。

太陽が眩しいのか険しい顔をしているけど、このきりっとした直線眉毛にくっきり二重、そして何よりセクシーなこの厚い唇……よく見れば、確かに彼だ。

でも、容姿と“超モテた”ことはともかく“超チャラくて”“超超女たらし”だったというのは、今の彼からは想像もつかない。

うーんと首を捻る私に、沙弓さんがとんでもない質問を投げかけてくる。


「みちるさんは、迅とキスしたことあります? まぁありますよね、あの迅と一つ屋根の下なんだから」

「な、な、なに言って……!」


っていうか“あの迅”って表現何? 彼の本性はチャラい人だからってこと……!?

そして現在ひとつ屋根の下ではないけれど、それは悔しいから黙っておこう……。

動揺しまくる私に、沙弓さんはなおも羞恥を煽る言葉を畳みかけてくる。


「迅のキステク、すごくなかったですか? あれが、たくさんの女の子を手玉に取ってきた何よりの証拠です」


そ、そりゃ確かに彼のキスには骨抜きにされてしまいましたけれども……。比留川くんがそんな遊び人だったなんて、やっぱり私には信じられない。


「……幻滅したでしょ? みちるさんって美人だからすごい高飛車そうだし、迅に本気になったら逆に痛い目みますよ。それを忠告したかったんです」



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