同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
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忘れもしない、商品開発部の飲み会を二人で抜け出した日の夜のことだ。
マンションに着くなり酔い過ぎて暴走したみちるは、俺が脱がすより先に自分で下着姿になり、ベッドの上で俺に馬乗りになった。
……ちょっと展開早ぇぞ。と圧倒されつつ、俺だって男だしそっちがその気なら遠慮しないけど、とネクタイを緩めているときだった。
「比留川くん……はよう、して」
耳慣れない方言のような言葉がみちるの口から飛び出し、俺は動きをぴたりと止めた。
そしてネクタイに掛けていた手で彼女の肩を掴み、真剣に問いかける。
「難波……今なんて?」
しかし彼女は意識して話したわけではないらしく、きょとんと首を傾げた。
「え? 早くしようよって」
「……じゃなくて。さっきみたいに」
「もう忘れたよぉ」
聞き間違いか? いやでも、確かにこの耳で聞いたし……と真剣に考え始めた俺の思考を、酔っ払いのみちるが邪魔してくる。
気が付けば彼女はブラジャーのホックを外そうとしていて、俺は必死で目を逸らし彼女に言い聞かせる。
「おい、脱ぐな」
「だって脱がないとできないよ?」
「今夜はしない。……難波の正体が、ちゃんとわかるまでは」
「……なにそれ?」