同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~


 * * *


忘れもしない、商品開発部の飲み会を二人で抜け出した日の夜のことだ。

マンションに着くなり酔い過ぎて暴走したみちるは、俺が脱がすより先に自分で下着姿になり、ベッドの上で俺に馬乗りになった。

……ちょっと展開早ぇぞ。と圧倒されつつ、俺だって男だしそっちがその気なら遠慮しないけど、とネクタイを緩めているときだった。



「比留川くん……はよう、して」



耳慣れない方言のような言葉がみちるの口から飛び出し、俺は動きをぴたりと止めた。

そしてネクタイに掛けていた手で彼女の肩を掴み、真剣に問いかける。


「難波……今なんて?」


しかし彼女は意識して話したわけではないらしく、きょとんと首を傾げた。


「え? 早くしようよって」

「……じゃなくて。さっきみたいに」

「もう忘れたよぉ」


聞き間違いか? いやでも、確かにこの耳で聞いたし……と真剣に考え始めた俺の思考を、酔っ払いのみちるが邪魔してくる。

気が付けば彼女はブラジャーのホックを外そうとしていて、俺は必死で目を逸らし彼女に言い聞かせる。


「おい、脱ぐな」

「だって脱がないとできないよ?」

「今夜はしない。……難波の正体が、ちゃんとわかるまでは」

「……なにそれ?」


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