同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~


どうして東京出身者だと偽るのか。

彼女だって少なからず俺に好意があるはずなのに、その相手に本当の姿を見せない理由は?

それがどうしてもわからなくて、同居生活で彼女に惹かれていくにつれ、本当の姿を見せてくれないことに苛立つ気持ちも募った。

みちるの告白を受け入れられなかったのも、そのせいだった。



「……好きなの」



切実な声で打ち明けられて、うれしくなかったわけがない。

だけど、それを言う前に、俺にちゃんと話すべきことがあるんじゃないのか。そう思ったら、みちるの言葉を素直に受け取ることができなくて。


「……無理」


俺は胸が締め付けられるのを感じながら、それだけ言うしかできなかった。

しかし、傷つけてしまったことは彼女の泣き顔を見たらすぐにわかった。

その時、俺は自分の“本性”を一時的に隠しておけなくなってしまう。


「じゃあ、今から起こることは無理やりにでも忘れて」


豹変した俺に戸惑うみちるを壁に押し付けて、強引に唇を奪った。

その甘い感触に、恋心が急速に成長を遂げるのを感じて、歯止めが効かなくなる。

この柔らかい唇も、その隙間からこぼれる吐息も、喘ぎに似た苦しげな声も、とろけるように形を変える舌も。

――全部、俺だけのもの。

そんな思いに支配されて、なかなかキスを止められなかった。あと一歩間違えれば、廊下で押し倒していたかもしれない。

でも……隠し事をされたままでいるという事実が、やっぱり胸のどこかにつかえていて。


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