同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
手紙を最後まで読み終えた私は、無意識に浮かんだ涙をごまかすようにぎゅっと強く瞬きすると、部長に告げる。
「これ……比留川くんにも見せていいでしょうか。このお客様の対応をしているとき、彼に助けてもらったんです」
「そうだったのか。……うん。構わないよ。それで、社内報の件はどうする?」
お客様からの手紙に励まされた単純な私は、迷いながらも深くうなずいた。
「……私に何を話せるかわかりませんが、やってみます」
「よかった。じゃあ僕が返事をしておくよ」
さっそく内線をかけ始めた部長にぺこりと頭を下げて、すぐに企画課の方を振り返り、迅の姿を探す。
自席でデスクワークをする彼はすぐに見つかり、私は手紙を持ったままで駆け寄っていった。
「今、大丈夫?」
背後から声を掛けると、迅はすぐに椅子を回転させて振り向く。
「ああ。……何?」
「これ……迅のおかげでもあるから、見てほしくて」
迅は、これを読んだらどんな反応をするだろう。私と同じできっと嬉しいはずだよね……。
さっそく手紙に目を通す迅を見ながら、期待を膨らませていると。
「すごいじゃん。でも、俺は何もしてない。みちるの手柄だろ」
あっさりとそう言われて、拍子抜けしてしまう。