同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
「来年、マジで入社してくるかもなぁ」
比留川くんはなんとなく気が乗らないようだけど、ライバルだと思っていた沙弓さんに褒められ気をよくした私は余裕ぶってこう言う。
「根性のある子ならお客様相談室は大歓迎だよ?」
「あ……岡山弁でいびるつもりだろ、みちる」
「そんなことしません!」
ははは、と楽しそうに私をからかう彼に腹を立てた私は、ぷいとそっぽを向いて手紙を返すために再び部長のデスクに戻っていった。
「部長、これありがとうございました」
「ああ。もう済んだ? ……それにしても、きみたちが一緒に住んでいると聞いた時はびっくりしたよ。会社では全然そんな素振りないのにね」
「へ……?」
にこにこと平和な笑みを浮かべる部長に対し、私はさあっと青ざめていく。
なんで? なんで部長にばれてるの? 情報はどこから漏れたの?
「ぶ、部長……その話、どなたから……?」
「え? 付き合ってることは確か霞に聞いて。それを知ってるなら別に隠す必要もないか~とか言って、久我が同居のことを教えてくれたんだ。水臭いじゃないか、僕に内緒にするなんて」
あ、あの口の軽いアラフォーどもめ……。
「よーまくそしてくれてから……!」
低い声を震わせ、思わず岡山弁で漏らしてしまった本音。けれど部長は何語?みたいな顔をしている。
だからこそわざと岡山弁を使ったわけだけど、背後から不吉な声が聞こえてきた。
「……おい、聞こえてるぞ桃太郎」