同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
*
教えられたバーのテラス席。
テーブルに突っ伏して眠るみちるは、少女のようにあどけなくて無防備で。
同じテーブルの椅子に座った俺は、呼びかける前にしばし見とれた。
ここは海外なんだから、もうちょっと警戒心抱けよな……なんて思いつつ、顔にかかっている髪をよけてやる。
その感触に「んん」と反応し、少し身じろぎした彼女だが、また安らかな寝息を立てて眠ってしまった。
「みちる」
穏やかに呼びかけてみるが、反応はない。
まったく、どんだけ熟睡してんだか……。呆れつつもその姿を可愛く思い、ふっと笑みがこぼれる。
全然起きなさそうだし、プロポーズの予行演習でもしてみようか。
俺はみちるの安らかな寝顔に向かって、若干緊張を滲ませつつ口を開く。
「俺……さ、みちると恋人っていう関係ではもう満足できそうにないんだ。一緒に暮らしてはいるけど、もっとちゃんとみちるを守りたい。……みちるの、夫として」
これを起きている状態のみちるが聞いたら、どんな顔をするだろう。
喜んでくれるだろうか。それとも、まだ俺との結婚は、彼女の中で想像していなかったことだろうか。
どちらにしろ、俺の気持ちは変わらない。
神様の前で。そしていつもお世話になっている皆のまえで、きみと永遠の愛を誓いたい。
「だから、みちる。……俺と結婚してほしい」