同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
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別荘に着いた頃にはすっかり暗くなっていて、星空のもとプールサイドでバーベキューの準備が進められていた。
「あ、比留川さん、みちる先輩、お帰りなさい!」
俺たちを見つけて手を振る、社長の彼女の近藤さん。
彼女もそろそろプロポーズされるのではないかなんてみちるが旅行前に言っていたけど、どうなんだろうな。
とりあえず彼女のそばに佇む社長はとろけそうな優しい瞳をしているから、二人はうまくいっているのだろう。
「わ~! 楽しそう! 私も手伝うね!」
するっと俺の手を解いて、料理の下ごしらえをする女性陣の輪に入っていくみちる。
すぐに彼女の水着姿を堪能できないのは残念だが、そういえば俺も空腹だ。
「比留川」
背後から低い掠れ声で呼ばれ、振り返った先では久我さんが俺にビール瓶を差し出していた。
「お疲れ。……難波の顔を見る限り、成功したらしいな」
「はい、なんとか」
「でも、結婚はそこが目的地じゃねぇからな。この先ぶつかり合ったりすれ違ったりしながら、でもそれを乗り越えるたびに相手をもっと大切にしようって思えるもんで」
……なんだか説教臭いのは、お酒のせいだろうか。
でも、久我さんは大先輩だしみちるもお世話になった人だし……と、とりあえずふむふむ頷いておく。