箱入り娘と黒猫王子
興味本位で人だかり近づくと…



「っ…!」



そこには紫ノ宮会長の姿があった。

近くで見ると、結構背が高い…。
周りで騒ぐ女子は見えていないかのように、キョロキョロあたりを見渡していて、誰か探してるのかな?

すると突然、ばっと目が合った。



「あ、いた。」

「…へ?」



どんどん近づいてくる紫ノ宮先輩に動けなくなる。いやこの時はまだ、私だって思っていなかったのかも。

だって、1年生の私と先輩に面識は無いし。
そーだよ、違う人だよって



「こんにちは、ちょっと時間いいかな。」

「……」

「…?おーい??」



待って、まさかだけど先輩、私に話しかけてる?



「えっ、えっ!?」

「あ、良かった、意識あって。」



そう言って笑った先輩は、やっぱり王子様みたいで直視できず視線を落とす。



「んー…取りあえず、来てっ?」

「ぅえっ?!」



手を引かれ、どこかに連れて行かれる。
待って、待って、頭が追いつかないっ!!
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