にゃおん、とお出迎え
ベランダに吹き付けてくる風が、寒いなって思い始めた。もう秋なのかなぁ。
お外が真っ暗になってもミネちゃんが帰ってこないから、あたしはベランダに出て通りを眺めている。
早く早くー。あたし、ずっと待ってるのに。
最近、ミネちゃんの帰りが遅くてつまんないよう。
やがて、ミネちゃんらしき影が通っていくから。あたしは今度は玄関に向かう。
ミネちゃんが扉を開けたところで「にゃーおん」とごあいさつ。
おかえりなさい。待ってたよう。
「あー、もう疲れたー」
ミネちゃんはあたしを軽くなでると、すぐにリビングのカーペットの上に足を投げ出して、天井を向いて溜息をついた。
ミネちゃん、違うでしょ。
待ってたあたしに言うこと無いの?
「にゃーおん」
「ああモカちゃん。お腹すいたよー。疲れたよー。でも先にちょっとだけ休みたーい」
「にゃーにゃー」
お腹すいたじゃなくて。『ただいま』でしょ。『モカちゃん、お留守番してておりこうだったね』でしょ?
あああん、褒められるのが好きなのに。
最近のミネちゃんは全然褒めてくれない。