ただあの子になりたくて


一体、私の何がいけないのだろう。

私はただ、お母さんに自分の娘の私を無条件に愛してほしかっただけだった。

そんなことさえも、私なんかには、願う資格すらないのだろうか。

視界を覆うとする涙に、腕を押し付ける。

なら、そんな私はどうするべきなのだろう。

私はぼうっと前を向いた。

唸りながら佇む自販機が、冷たい光であたりを照らし出す。

すぐ前には、黄色と黒のしま模様の棒が、真っ暗な空へ向かってのびていた。

線路の脇に生えた丈のある雑草が、急に風にさざめきだす。

突如叫ぶようになりだした、カンカンという警告音。


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