ただあの子になりたくて


重たげに動く影。

青白く照らされる、お父さんと違って滑らかな横顔。

私によく似た目が光る。

そして首を横に振る。

「イヤよ。こんな時に誰が眠れるもんですか……」

ききたくもない、怪訝そうな声。

またはっきりと眉間にしわを刻むお母さん。

お母さんがソファーの肘あてに手をついて身を起こす。

そんなお母さんをたしなめるように、急に大きな体を丸めてしゃがみこむお父さん。

急に動き出した二人に、私の脈は跳ねあがる。


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