愛と音の花束を
「最初にここに立って、僕を見るでしょう?」
本多さんは、私の後ろに立ち、私の両肩に手を添えて、体をステージ奥に向かせた。
「僕は何があっても結花ちゃんを支えるから。ひとりじゃない。絶対大丈夫」
肩に添えられた手から、優しさと励ましが伝わってくる。
「半年間よく頑張ってきたね」
「……本番前に泣かせないでください」
後ろで笑った気配がして、肩をポンポンと叩かれた。
椅子に置いた楽器とチューナーを取り上げる本多さんに、「ありがとう」と言うと、彼は「どういたしまして」と微笑んだ。
袖に下がっていく本多さんの後ろ姿を見ながら、いつの日か、椎名のこともこんな穏やかな気持ちで見ることができるといいと思った。
そうして、何気なく客席を見ると。
……出て行こうとする椎名と目が合った。
目を逸らせなかった。
逸らしていいものか躊躇った。
椎名は方向を変えて、こっちに向かってくる。
……さっきの、見られてた、よね。
椎名には触られて平手打ちしたのに、さっきの本多さんにはされるがままになっている私を見て、気分はよくないはずだ。
でも、それを私に向ける人ではない。
どうにか言い訳したいけれど、何と説明すればいいんだろう。
元彼だから? もう吹っ切れてるから?
本多さんは、私の後ろに立ち、私の両肩に手を添えて、体をステージ奥に向かせた。
「僕は何があっても結花ちゃんを支えるから。ひとりじゃない。絶対大丈夫」
肩に添えられた手から、優しさと励ましが伝わってくる。
「半年間よく頑張ってきたね」
「……本番前に泣かせないでください」
後ろで笑った気配がして、肩をポンポンと叩かれた。
椅子に置いた楽器とチューナーを取り上げる本多さんに、「ありがとう」と言うと、彼は「どういたしまして」と微笑んだ。
袖に下がっていく本多さんの後ろ姿を見ながら、いつの日か、椎名のこともこんな穏やかな気持ちで見ることができるといいと思った。
そうして、何気なく客席を見ると。
……出て行こうとする椎名と目が合った。
目を逸らせなかった。
逸らしていいものか躊躇った。
椎名は方向を変えて、こっちに向かってくる。
……さっきの、見られてた、よね。
椎名には触られて平手打ちしたのに、さっきの本多さんにはされるがままになっている私を見て、気分はよくないはずだ。
でも、それを私に向ける人ではない。
どうにか言い訳したいけれど、何と説明すればいいんだろう。
元彼だから? もう吹っ切れてるから?