愛と音の花束を
三神君のアルペジオが規則正しいスタッカートになり、早瀬先生がオケに向かってタクトを下ろした。
うわっ、音大きい! ここ、ピアニッシモ!
思わず焦るくらい、ファーストヴァイオリンが気合いを入れて弾き出したものだから、早瀬先生は咄嗟に、ここはもう少し抑えて、と左手で示した。私は体を極力動かさず、弓の動きを小さくし、後ろに『抑えて!』の指示を出す。
そして、クレッシェンドで、ここから行こう、という早瀬先生のゴーサインが出ると、弓の動きを大きくし、身体全体でみんなへ『行くよ!』と合図する。
ありがたいことに、みんながよく見ていて汲み取ってくれる。中間管理職の苦労も報われるというもの。
そしてトゥッティ、フォルテッシモへ。
みんなの気合いが半端ない。いいことだけど!
一旦穏やかになった後、ソロヴァイオリンが再び走り出す。
その疾走に、私達も負けじとついていく。
それにしても、三神君の、情熱的だけど、理性でコントロールされた完璧なテクニックには舌を巻く。
指は良く回り、弓も小気味よくさばかれる。
コーダ前のクライマックス、3度にわたる最高音ハイE(高いミ)が完璧に当たり、しかも潰れずに、美しく鳴り響く。(E線の2オクターブ上のEは、当たると楽器が共鳴して気持ちよく“鳴る”のだ。)
CDで聴くとものすごく上手いプロのアーティストでも、生で聴くとそうでもない時がある。いつも最高の状態に持っていくということが、どれほど難しいことか。
ところが三神君は、協奏曲の経験がそれほどないはずなのに、この本番で、今までで最高の演奏をしているのだ。化け物だ。
第1楽章はコーダへ。
ソロヴァイオリンが華麗に走る裏で、オケも負けじと主題の断片を組み合わせていく。
すさまじいまでの疾走感と高揚感!
ギリギリまで高まったエネルギーがはじけて、第1楽章が閉じられた。
うわっ、音大きい! ここ、ピアニッシモ!
思わず焦るくらい、ファーストヴァイオリンが気合いを入れて弾き出したものだから、早瀬先生は咄嗟に、ここはもう少し抑えて、と左手で示した。私は体を極力動かさず、弓の動きを小さくし、後ろに『抑えて!』の指示を出す。
そして、クレッシェンドで、ここから行こう、という早瀬先生のゴーサインが出ると、弓の動きを大きくし、身体全体でみんなへ『行くよ!』と合図する。
ありがたいことに、みんながよく見ていて汲み取ってくれる。中間管理職の苦労も報われるというもの。
そしてトゥッティ、フォルテッシモへ。
みんなの気合いが半端ない。いいことだけど!
一旦穏やかになった後、ソロヴァイオリンが再び走り出す。
その疾走に、私達も負けじとついていく。
それにしても、三神君の、情熱的だけど、理性でコントロールされた完璧なテクニックには舌を巻く。
指は良く回り、弓も小気味よくさばかれる。
コーダ前のクライマックス、3度にわたる最高音ハイE(高いミ)が完璧に当たり、しかも潰れずに、美しく鳴り響く。(E線の2オクターブ上のEは、当たると楽器が共鳴して気持ちよく“鳴る”のだ。)
CDで聴くとものすごく上手いプロのアーティストでも、生で聴くとそうでもない時がある。いつも最高の状態に持っていくということが、どれほど難しいことか。
ところが三神君は、協奏曲の経験がそれほどないはずなのに、この本番で、今までで最高の演奏をしているのだ。化け物だ。
第1楽章はコーダへ。
ソロヴァイオリンが華麗に走る裏で、オケも負けじと主題の断片を組み合わせていく。
すさまじいまでの疾走感と高揚感!
ギリギリまで高まったエネルギーがはじけて、第1楽章が閉じられた。