愛と音の花束を
ステージの端には、マイクと椅子。
そこへハープの井上さんが座った。
朗読付きなんだ。
彼女は結婚式やイベントで司会の副業もしてるから、こういった朗読もお手の物だろう。

チューニング・起立・着席の後、井上さんがマイクに向かう。

「本日は、ご来場ありがとうございます」

彼女がいい声で告げる。

「ただいまより皆様を、不思議な動物園へご案内いたします」



第1曲『序奏と獅子王の行進』。

ファーストピアノの軽やかなトレモロから始まる。
それにセカンドピアノが加わり、続いて弦が加わる。
ピアノのトレモロ、音がキラキラしてて、これから開幕するお祭りへのワクワク感が増す。

クレッシェンドし、頂点の後、ファーストピアノは上行、セカンドピアノは下行のグリッサンド。
うわぁ、きらびやか!
しかも終わりの音、2台のピアノと弦のタイミングぴったり!

獅子王の行進、2台のピアノが行進曲のリズムを刻む上で、弦が堂々たるライオンを奏でる。間にセカンドピアノが唸り声をあらわす……のだけど。
うわ、ド迫力。
ライオンが低い唸り声をあげる光景が浮かぶ。早瀬先生、すごい。

次いで、ファーストピアノが主題を両手ともにオクターブユニゾンで奏でる。
那智の大きな手がカチっと決まった形を保ったまま、次々と鍵盤を捉えていく。

……かっこいいなぁ。

うん、オケもピアノもちゃんと聴き合ってアンサンブルしてる。大丈夫そう。

サン=サーンスらしい格好良さを存分に発揮して、最初の曲が閉じられた。
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